法人向け新電力と家庭向け新電力、何が違う
新電力と聞くと、家庭向けのイメージが強いかもしれませんが、実は契約件数で見ると法人向け新電力のほうが市場としては大きく成長してきた歴史があります。
家庭向けと法人向けでは、料金体系や契約の考え方に大きな違いがあります。個人事業主の方や、自宅を事務所として使っている方は、違いを知っておくと契約の選択肢が広がります。
家庭向け新電力(低圧契約)は、主に契約電力50kW未満の需要家が対象で、一般家庭や小規模店舗などが該当します。料金プランは比較的シンプルで、基本料金と従量料金(使用量に応じた単価)で構成されているのが一般的です。切り替え手続きもWebで完結する場合が多く、気軽に見直せます。
一方、法人向け新電力(高圧・特別高圧)は、契約電力50kW以上の施設向けで、中規模以上のオフィスビル、工場、商業施設、病院などが対象になります。料金体系は複雑で、基本料金は「最大デマンド値(過去1年で最も電力を使った30分間の平均値)」によって決まります。つまり、一瞬でも大量の電気を使った月があると、その後1年間は基本料金が高いまま維持されます。
法人向け新電力では、年間契約や個別見積もりが基本で、電力使用パターンのヒアリングをもとにカスタマイズされたプランが提示されます。デマンド管理の提案、省エネコンサルティング、再エネ比率の指定、証書発行サービス(非化石証書など)といった付加価値が重要視され、価格だけでは選ばれないのが特徴です。
個人事業主やフリーランスが自宅兼事務所として使う場合は、原則として家庭向けプランでの契約になりますが、使用量が極端に多い場合や、業務用機器をメインで使う場合は、動力契約(三相200V)が必要になることもあります。動力契約は、エアコンの業務用機種や工業用モーターを使うときに必要な契約形態で、料金体系も家庭向けとは異なります
自宅を仕事場にしている方は、まず現在の契約種別(従量電灯・低圧電力など)を確認しましょう。契約種別を最適化するだけでも、月数千円の節約になることがあります。家庭向け・法人向けそれぞれの仕組みを理解して、賢く選びましょう。